大久保勝仁さん

SPECIAL
INTERVIEW

すみだとわたし
大久保勝仁さん

電気湯店主

大久保勝仁さん

Q1.すみだでどんな活動をされていますか?
電気湯という銭湯をやっています。それと、この辺りの長屋が連なる街並みと暖かいご近所付き合いがとても素敵なので、街並みを保全する活動もやってます。
あとは、墨田区で若者が住みやすい町を作っていけるように、議員さんにも来ていただいて、電気湯をベースに対話する場を「若者政策協議会」として作っています。
Q2.どんな経緯で、すみだで活動をされているのですか?
銭湯を継ぐ前は、国連関連機関の中でさまざまな社会集団が国連に意見を反映できるようにする仕組みを形作る部署にいて、都市開発部門でアジア地域の子どもや若者の声を集約して政策にして、そういった声が国連・国際会議の成果文章に反映されるようにする仕事をやっていました。
交渉と現場のギャップを感じてその仕事を離れたあとは1年くらいニートをしていて、そんな時におばあちゃんが「銭湯を辞める」と親族の集まりで宣言したんです。僕、銭湯をやる気は全くなかったんですけど、継がないとなくなっちゃうので、やるしかないだろうと思い、やり始めたらどっぷりはまっちゃった感じです。
Q2
Q3.すみだの魅力を語ってください!
国連で世界中を飛び回っていた時は、住む場所がないなとずっと感じていました。ところがここに住み始めてからは、「終の住処」を見つけたような感覚になっています。
京島は木造密集地区で入り組んだ道が多く、なかなか車が入ってこないので道が公園みたいになるんですよ。 みんな道端でなんか喋って、子供たちも遊んでる。路上園芸が家の前にせり出して、いろんな緑を置いてあると、それをきっかけにおしゃべりが始まり、知り合いになることも多い。
あと、地価がまだ安いので、めっちゃこだわりを持った個人が自分のお店をやってるところが多いです。みんな引っ越してきた方がいいと思いますよ、京島に。ここに大型の娯楽施設はなくても錦糸町にあるので、立地も最高です。
Q3
Q4.すみだが5年後どんな街になっていくと良いと思いますか?
まず多分、電気湯の姿も変わっているんじゃないかと思います。
5年後は、街がもっと均質化されている気がします。錦糸町は、裏側は余地があるけど駅前はもう固まってる。曳舟もどんどん開発されている。今ちょうど京島が発掘され始めていると感じるのですが、僕の好きな生活空間が開発されていっても、電気湯があることで、ご近所付き合いとかみんなの居場所があるっていう雰囲気を守っていければいいなと思っています。もうちょっと活気づいてほしいけど、活気づくと開発も伸びてきてしまう。京島の雰囲気は変わらないでほしいと、僕の身近な方々はみんな思っている気がします。
PROFILE

大久保勝仁

2019年までに、国連子どもと若者メジャーグループ都市開発部門東南アジア統括、一般社団法人SDGs市民社会ネットワーク、持続可能な社会に向けたジャパンユースプラットフォーム事務局理事など、ユースの自治民主的な参画や持続可能な社会のための参画スペースの構築を推進する。内閣府·次世代のSDGs推進プラットフォーム構想を発案、同じく2019年までに事務局を務める。祖母が「銭湯やめるぜ」と言ったのをきっかけに、家業である銭湯「電気湯」を継業。2年間で来場者人数を2.5倍に。